これ「うかつに危ない怪しい怖いところに行くと、とんでもない目にあうかもしれませんよ」という教訓なのでしょうか。まあ、たぶん違うとは思うのですが、いかんせんファンタジーものには慣れていないため、結局どう観たらいいのかわかりませんでした。
とりあえず、もう少し自分にはファンタジー関連での経験が必要です。
おそらく、ソンミンとスリンが心を通わせていく様や、お義父さんとスリンが実の親子に近づいていく感じを味わえばいいのかもしれませんけど、あまりに周囲の大人たちが当たり前に理解しなさ過ぎて、じれったさがすべてにまさってしまいました。
なので、まず思い出しちゃったのは「岡山地底湖行方不明事件」。
大学の洞窟探検サークルのメンバーのうち1人だけが鍾乳洞の中の地底湖で行方不明になったのですが、噂で聞く限り不可解な点が多過ぎ闇が深く、真相が迷宮入りの様相を呈しているあれです。
隠された時間《Vanishing Time: A Boy Who Returned》の、あらすじ|親がいないという境遇にある2人の淡い静かな恋心
交通事故で突然母を亡くしてしまったスリン(シン・ウンス)は、継父(キム・ヒウォン)の仕事の関係で離島にやってきた。なかなか周囲に馴染めず孤独な毎日を送っていたスリンだったが、ある日、児童養護施設で暮らす少年ソンミン(イ・ヒョジェ)と知り合う。
ともに親のいない境遇にある2人は徐々に仲良くなっていき、淡い恋心も芽生え始める。
そんな中、スリンはソンミンと同級生がトンネル工事の爆破を見に行くというところに出会い、合流して一緒に立入禁止区域へ向かう。
その山中の洞窟を探検した後、スリンが母親にもらった思い出のヘアピンを洞窟内に忘れ、取りに戻っている間にソンミンを含めた3人の少年たちが行方不明になっていた。
町中が騒ぎになるが捜査は難航、さらにソンミン(カン・ドンウォン)を名乗る成人男性がスリンの前に姿を現す。周囲の大人たちは、その男を誘拐犯ではないかと疑うが、スリンだけはその男をソンミンだと認識できる確証を持っていた。
当然、世間にはまったく理解されず、だんだん2人は追い詰められていく。
隠された時間《Vanishing Time: A Boy Who Returned》の見どころ|異次元に迷い込んだ少年が年を取って戻ってきたというウソのような話
原作はありません、オム・テファ監督のオリジナルストーリーです
冒頭で「スリンの話をまとめたという本をもとにした」と語られますが、そのとおりこの映画は実話がベースになっており、少年たちが石を割って異次元に迷い込みそのうちの1人が年を取って戻ってきたというのは本当のことだそうです。
というのはもちろんウソで、オム・テファ監督が脚本も手掛けたオリジナルストーリーです。
信じてもらえない苦しみ
ファンタジーでなければ起こり得ない話なので、こういう展開になるのはわかるのですが、現実の世界でも理解されない信じてもらえないという苦しさはありますよね。
単なる価値観の違いならば、その人と距離を取るだけなのでいいんですけど、こういう法が絡んでくるものはどうしたらいいのでしょうか。結局「そうなったら考える」が最終回答に落ち着きそうです。
あと、光る石を取るために池に潜っていく場面は、トレインスポッティングのトイレのシーン(気持ち悪いので閲覧注意)のオマージュですか?
「真っ先に逃げた船長」で有名な、セウォル号沈没事故からインスパイアされた?
そういえば、この作品、あの真っ先に逃げた船長が印象的な「セウォル号沈没事故」からインスパイアされたらしいのですが、どこらへんがそうなのか全然わかりませんでした。
あやまって済むことではないですけど、ごめんなさい。
隠された時間《Vanishing Time: A Boy Who Returned》のキャストと予告編|Cast and Trailer
◎2h10m (2016)